美しきは美しき

感じたことのメモ書きです

ヒッチハイカーぐるぐる

先日仕事で郡山まで訪れた。

 

帰りに郡山から新白河間の下道を走っていると「宇都宮」の文字を掲げるヒッチハイカーがIC前の脇道に立っていた。

そして僕は気づくと彼の立つ20m先に車を駐めていた。

 

「ありがとうございます」

「後ろに荷物置いていいですよ」

という具合で彼が助手席に乗り込む。

新白河まで10km少しの短い距離だ。

 

男の名は杉本、28歳という。見た目は山ボーイ風の小綺麗な風体。ただ2週間で風呂なし野宿ありということでなかなかに臭う。これぞ野生臭か。

道中交わした会話のメインテーマは、彼が大学を卒業して、会社に入って感じた「社会って冷たいな」という感覚。

新卒で入った会社で虐められ、唯一良くしてくれた別部署の上司の自殺。

会社をやめ「この社会で自分はどうやって生き抜けるんだ」と1ヶ月考え抜いた結果、人が嫌がるような辛い仕事での経験をたくさんしてやろうと決断したらしい。

 

ヒッチハイクの旅に出るまでは、障害者支援の仕事につき、人生を改めて見つめ直すため旅を決断。網走から郡山までヒッチハイクしたり歩いたり。移動しながらぐるぐる考えているらしい。

 

優しい人って周りにいっぱいいるし、ヘルプもサポートもしてくれる人がたくさんいる。実際自分の周囲何mかではそう感じるのに、大都市の不特定多数の社会に放り込まれると同時に、その優しさの電波がゼロになるのはなんでか。

 

乙武さんが「日本はバリアフリーインフラが整っているけど、人と人との助け合いがない。一方、ロンドンではバリアフリーインフラは整っていないけど、人が人を助けるということがが社会のバリアフリーとしてシステムに組み込まれている」と言っていた。

 

自分ん含め、感じたことを行動にできていない世の中。

溢れる情報により自分の心の声を聞けていないのか。

 

「社会の冷たさ」この言葉はこれからどうにかしないとと思う。