自由句
青菜が盛られた小鉢の違和感
ほなまたいうて陽が差す背中
背伸びしてみたジャズで泣いた
あのカラスをせいで頭を下げている
柳瀬 リチャード 謎の付箋
初ホッケー数分後に病院
そこにいるなら歌わなかった
目印が車は迷う
なくなった標識を見る
どこいったジャンパー
金木犀が隣のおっさん臭を防ぐ
声だけじゃかえって切なくて
呼んでもないのに朝はくる
コロッケみたいな水苔
芸大という偏見
なぜか急によそよそしくなった隣の爺
おはよう華金の亡骸
月明かり沈黙ジャンパーを貸す
コインパーキングの車止めに腰掛け袖濡れ
もう一段あったのか
尾けてる訳じゃないという距離を保つ
ぽつんと湿った一軒の家
あざ笑って降り注ぐ今日の日差し